~弊社代表取締役社長藤田による「世界の地政学リスクの勘所」のご紹介~ | 株式会社ストラテジー・アドバイザーズ

コラム

~弊社代表取締役社長藤田による「世界の地政学リスクの勘所」のご紹介~

2020年代に入って、株式投資戦略を検討するに、地政学リスクの分析が欠かせません。

近年、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化、イスラエルとハマスの戦い、米国・イスラエルとイランの軍事衝突など、世界的に戦争や紛争の発生が相次いでいます。それのみならず、米国による関税率の大幅引き上げ、中国によるレアアースの供給制限、頻繁なサイバー攻撃の発生、エネルギー価格高騰など、経済安全保障の重要性が高まっています。実際に軍事紛争が起きているわけではありませんが、中国による台湾侵攻の可能性もあります。そして、これらは経済や金融市場に対して大きな影響を与えています。

日本では、米国ドナルド・トランプ大統領の政策に対して批判が強い状況です。代表的な日本の新聞の社説には「トランプ米大統領はこれ以上世界壊すな」、あるいは「西洋なき世界の衝撃 米欧分断がもたらす暗黒」という記事がありました。「欧米が仲良くして、米国が世界のリーダーであるべきだ。それを変えるトランプ氏はけしからん」という趣旨ですが、これらは情緒論といえます。

米国のDNAは外交的孤立主義です。2025年、トランプ大統領はトランプ版モンロー宣言を発表しました。これは1823年にジェームズ・モンロー大統領が議会で表明した欧米相互不干渉主義に対する補論であり、①西半球重視、②欧州に対する軍事力増強要求(米国の負担減)、③対中国は抑止政策重視、を基本としています。

トランプ大統領によるベネズエラ大統領の拘束やグリーンランド購入要求に対しても批判が強く存在します。しかし、トランプ大統領の行動は決して突飛なものではなく、米国の国家としてのDNAに沿ったものです。かつて米国はグレナダやパナマの元首を拘束した過去があります。また、ルイジアナをフランスから、アラスカをロシアから購入した歴史もあります。グリーンランドについても、かつて米国の保護領であった時期があり、トルーマン大統領が購入を提案していました。

中国やインドが台頭しつつあるとはいえ、未だに米国の国際政治力や軍事力は世界を圧倒する力を保持しています。その米国のリーダーである大統領の政策は、世界の安全保障に大きな影響を及ぼします。そして、これらは決して偶然ではなく歴史の必然といえます。

2020年以降、株式市場をはじめとする金融市場は地政学リスクによる大きな影響を受けています。ロシアによるウクライナ侵攻に伴うエネルギー価格高騰は、世界のインフレ率を大きく押し上げ、結果として金利が上昇しました。トランプ関税は一時的にではありますが、世界の株価を大きく押し下げました。また、イランによるホルムズ海峡の封鎖は原油価格を大きく押し上げ、結果として株式市場を大きく乱高下させました。このように、今や地政学リスクの分析なしにグローバルな株式投資を行うことはできません。その意味でも、地政学リスクを分析することの重要性は高まりつつあります。